レビュー

「分離から統合へ 「人類の目覚め」を紐解く二つの異なる切り口」Part5

実質的変容

意識の成長と発達の段階の中で「実質的変容」が大きなステップだということを多くの研究者が認めている。今は人類社会全体が「実質的変容」に差し掛かっていることも「学問系の理知的表現」共通の認識だ。それよりもはるかに手前にいる人もいるし、それを超えて「超個」のレベルに達している人もいる。しかし、人類全体の課題は、今「実質的変容」に直面しているというのが「学問系の理知的表現」の見解。

「実質的変容」は「悟り」と比べると、はるかに手前の段階だ。社会的な倫理性ともまったく関係が無い。「こうあってはいけない」と自分から切り離して、無意識レベルにシャドーとして追いやっていた衝動や部分人格を統合した状態であり、善良な社会人の枠からは出て来てしまう。他人の目や社会の評価を気にせずに「自分軸」で生きていくということ。
例えば、良妻賢母で通ってきた人が突然、若い男に狂ったとする。当然、社会倫理に反するので、社会からは非難される。しかしその人は、良妻賢母という自ら作った足かせから離れて「自分軸」で生き始めたわけであり、「実質的変容」を起こした可能性がある。ただし、もしその人が激しい恋愛感情に翻弄されたとしたら「実質的変容」とは言ってもまだ入り口付近だろう。「実質的変容」が進むと、恋愛は静かな淡々とした感じになる。

「実質的変容」に達すると、独占欲や嫉妬が少なくなってくるので、相手が他の異性と付き合っていても、さほど気にならなくなる。また「実質的変容」になると、愛は「性愛」と「執着的な愛」だけではなく、普遍的な「真我の愛」、つまり「無条件の愛」の比率が高くなる。そうなれば、性欲が衰えた老年期になっても素晴らしい関係性が維持できる。

「実質的変容」が深まった人の特徴

1.むやみに「戦い」を仕掛けない。「戦い」は闘争だけでなく、出世のための戦い、名誉、名声、お金を得るための戦いも含む。

2.むやみに「目標」や「夢」を設定して、それを追いかけない。

3.むやみに「聖人」にあこがれない。

4.むやみに「いい人」「強い人」「立派な社会人」のふりをしない。装わない。格好つけない。巣の状態、裸で生きている。

5.自分の弱さや欠点をさらすことに抵抗が無い(常識的にはネガティブに見える側面も含めて自己受容している)。

6.むやみに人を批判しない。

7.むやみに「美しい物語」にあこがれない。むやみに理想を追わない。

8.秩序のない混沌(カオス)の中にいても居心地の悪さを感じない。むやみに整理された秩序を求めない。

9.発生した出来事や世の中の現象に対して、論理的で美しい説明や理由づけをむやみに求めない。出来事や現象が、ただ「ある」ことを認める。

10.むやみに「いい/悪い」の判断をしない。起きた出来事や結果、自分や他人の行為、自分や他人そのものなどに対して、ありのままを受け取り、判断を保留する。

11.いかなる結果が出ようとも、それを淡々と受け入れる。

12.物事を「正義VS悪」のパターンで読み解こうとはしない。「正義」を振りかざして「悪」を糾弾しようとはしない。主に、自分や他人やお互いに対立する人たち、あるいは組織、国家などに対して。

13.むやみに「善人」と「悪人」を切り分けない。世の中に「悪人」とレッテルを張れるような人は存在しておらず、抱えている葛藤の重さが違うだけだ、と認識している。

14.むやみに「正/誤」を判断しない。誤を切り捨てないで、その中に潜む叡智を探す。

15.むやみに自分と人、あるいは他人同士を比較しようとはしない。人は一人ひとり、存在しているだけで十分に価値があることを実感として把握している。

16.むやみに「コントロールしよう」としない。他人も自分も組織も世論も・・・。説得して他人の意見を変えようとはしない。したがって「社会を変えよう」という意図はなくなる。

17.恋愛は、激しく燃え上がらず、静かな感じになる。パートナーに対して、独占欲や嫉妬心が希薄になる。

18.あらゆる場面で「無条件の愛」が発揮される。

19.自分とは異なる意見、思想、価値観、文化の人と一緒にいても、居心地の悪さは感じない。

20.他人の問題行為、わがままな行為、エゴむき出しの行為に対して、むやみに嫌悪感を抱かない。

21.むやみに「自己顕示欲」むきだしの言動に走らない。自らの「自己顕示欲」の存在をしっかり把握している。

22.自分自身、起きている出来事、他人との関係などを、客観的に遠くから見る視点を確保している(メタ認知)。

23.他人や社会が、自分や自分の言動をどう見るかを、むやみに気にしない。自分をまげて、他人や社会に無理やり合わせたり、ゴマをすったりしない。常に自分自身であり続ける。

24.むやみに過去を悔やまず、未来を思い悩んだり心配したりしない。

25.自らを明けわたし、宇宙の流れに乗ることができる。他人からみると、やたら運が良いように見える。

 

私たちは魂レベルでは、多くの意識が「肉体を持ったまま、高い意識を思い出す」ことの出来る現代を選び、その目的のために生まれてきている。
言い換えれば、あなたがイエスや釈迦のようになっていくのだ。現代にイエスや釈迦が再臨するという話がされることがあるが、これは彼らが生まれ変わってくるのではなく、1人ひとりが目覚め、覚醒していくことを意味している。

それぞれが、キリスト意識やブッダ意識を覚醒させ、地上の楽園を築き上げていくことこそが私たち人類が今世生きている最大の目的なのだ。

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