アミ 小さな宇宙人

「アミ小さな宇宙人」第12章 宇宙生命体への階段

「アミ小さな宇宙人」第11章 科学が霊性を発見するとき

第12章 宇宙生命体への階段

水の中から、すさまじいスピードでオフィル上空に舞い上がった。

数秒後にはいくつかの建物があるところにつき、円盤は、そのまま、空中にぴたりと停止した。

窓の外を見た。とたんに、ひどいめまいを感じた。なんと、何人もの人が、空中を、と・・・ん・・・で・・・い・・・た!!

空中に両手を広げて、ある人は垂直に、ある人は水平に浮いていた。

みな、目を閉じていて、やさしい、うっとりとした表情をしていたが、深く気持ちを集中させている様子がわかる。

空中をゆっくりとまるでワシのように、大きな輪を描きながら飛んでいた。

アミは”センソ・メトロ(感覚計)”を取り出して、彼らのひとりにあてた。

「彼の進歩度を見てみよう」

透明になった男が、スクリーンにあらわれた。彼の胸の光にはおどろくべきものがあった。

光は彼の身体の内部だけにとどまらず、身体の周囲を、弧を描いたように外に向かって輝いていた。

「宇宙最大の力。愛の力を体験しているところだ」
とアミが説明してくれた。

「どうして、飛ぶことができるの?」
とても驚いて聞いた。

「愛の力がもちあげているんだよ。ちょうど僕たちが海岸でやったようにね」

「きっと、すごい度数をしているんだろうな?」

「ここにいる人たちは、平常1000度前後の度数だけど、精神を愛に集中することにより、2000度以上にもなる。今やっているのは精神訓練のひとつだけど、訓練が終われば、いつもの度数に戻るんだ。

また、今の彼らと同じくらいの度数を平常もっている世界の人々もいる。でも、きみも僕も今のところ、到達できそうもない世界もある。それは、1万度を超える度数を持っている太陽の人たちで、もう、ほとんど純粋な愛だ」

「太陽の人たち?」

「うん、さまざまな太陽に住んでいる人たちのことだよ」

「そんなこと、一度だって想像したことなかったよ!」

「当然だよ。誰だって、自分のはるか上にある段階のことなんか、見ることも想像することもできないからね・・・じゃ、今度は向こうのグループを見に行こう」

遠くの野原に、さっきの人たちと同じ格好をした50人くらいの人たちが、輪をつくって座っていた。一見して光り輝いているように見えた。足を交差させて、背をまっすぐに伸ばし、瞑想していた。

「何をしているの?」

「宇宙のそれほど進歩していない世界に、テレパシーでメッセージを送っているんだよ。でも、頭だけで知覚するのは難しいね。一緒に心もともなわないと」

「それは、前に話してくれたけど、どういう内容のメッセージなの?」

「頭で何かを考えるのを少しやめて、胸に注意をするようにしてごらん。そうすればたぶん、感じ取ることができるよ。発信地のすぐ近くにいるからね。・・・あっ、そうじゃないよ。もっと身体をずっとリラックスさせて、目を閉じて、注意深くしてごらん」

彼に言われるとおりにした。最初は、このあたりに近づいたときから感じていた、特別な感動に近い感覚以外には何も感じなかった。でも、そのあとで、何か理想的な感覚が僕の中に入りこんできた。

“全て、愛に基づいてないものは、壊されて・・・時とともに、忘れ去られ捨てられていく・・・”

一種のとても気高い明るさのようなものが、僕の内部にわきあがってきた。そのあとで、僕の頭に、次のような感情の言葉がおかれた。

それはなんだかとても不思議ではあったが、同時にとても美しかった。

“愛に基づいている、全てのもの・・・
友情や夫婦
家族や組合
政府や国家
個人のたましい 人類のたましい
これらは、みな、
堅固で確実で、
繁栄し、実を結び
壊れることを、知らない・・・”

僕にはそれを言っている人が、ほとんど”見える”ようだった。それは、これらを唱えている人からではなく、僕にはまるで神が言っているように感じた。

“これが、わたしの掟だ。
・・・これが、わたしの約束であり、
わたしの法だ・・・”

「ペドゥリート。キャッチしたかい?」
アミが僕に聞いた。目をあけた。

「うーん・・・これ、いったい何のためにやっているの?」

「このメッセージは、ずっと深いところ、そう、神からきているんだ。そしてここにいる人たちは、それをキャッチして、地球のようにあまり進歩していない世界に再送信しているんだ。向こうで、誰かが受信するんだけど、必ずしも純粋に再生するとはかぎらない。それは、受信する人の意識の水準によるんだよ」

「意識の水準?それ何のこと?」

「ふたつの脳のバランスの度合いのことだよ。受信する人のこのバランスが正しくとれていれば、メッセージを正確に受け取って、新しい時代の創造のために使われるけど、そうでないとゆがんで解釈されて、反対に、恐怖や混乱や暴動などが増加することになるんだよ」

「新しい時代だって?」

「うん、”水がめ座の時代”のことだよ」

「その”水がめ座の時代”って?」

「地球という惑星の新しい発達段階で、数千年ものあいだ続いた野蛮な時代の次にくる、新しい愛の時代のことだよ。地球もより繊細な宇宙エネルギーに支配されるようになり、全ての人の愛の成長を助けるようになるんだ。地球の人も、もうオフィルのように幸せに生きることができるようになるんだよ」

「う~ん。でも、どうして、まだ、できないでいるの?」

「それは、今だに、時代遅れの古い考えと、新しい時代には順応できないシステムに従い続けていて、それが、人々を傷つける結果となっているんだよ。

でも、人々は幸せになるために生まれてきているんであって、傷つくために生まれてきているんじゃないんだ。だから、我々もこの”救済計画”にのっとって、働いているんだよ。最近地球で、愛についてよく語られているのに、気がついたかい?」

「ああ・・・そう言えばそうだ」

「それは、この”水がめ座の時代”に入り、これらのメッセージを受け取る人が多くなり、その多くの人が、前にもまして強くなったこの愛の放射の力を、感じているからなんだよ」

「じゃ、どうして、今、地球には、より多くの苦しみがあるの?もっと前の時代には、世界大戦だとか貧困だとかペストだとかあったにしても・・・」

「人々は、以前、残酷な行為に対してそれほど繊細ではなく、戦争も当然のことと考えていた。でも、今はもう違うんだ。大部分の人はただ平和に生きることを願っている。”新しい時代の人間”は、より繊細な放射の影響を受け、かわいそうに苦悩に対してより敏感で、より傷つきやすくなっているんだよ。ペドゥリート」

 

すさまじいスピードで、あの奇妙で霊的な振動に満ちあふれている場所から、立ち去った。

「アミ、あとなん時間くらい、残っている?」

「二時間だよ」

「変だなあ。海岸でこの円盤に乗ってから、十二時間くらいはたっているように感じるけどね・・・」

「前にも言ったように、時間が伸びをしたんだよ。じゃ、今度は、”映画”を見に行こう」

 

オフィルの夜になっているところについた。野原も建物も、みな、たくさんの照明で照らされ、とても明るかった。

観客で満員の野外映画館のようなものが見えてきた。スクリーンは薄いガラス板でできていて、そこに静かな音楽に合わせて、カラーの抽象的な画像がうつっていた。

スクリーンの正面には、きわだって特別なイスが見え、そこに頭にヘルメットのようなものをつけ、目を閉じて瞑想しているひとりの女の人が座っていた。

「アミ、何しているの?あの女の人?」

「彼女が想像したことがスクリーンにうつるんだよ・・・撮影者も映画技師もいらない映画、といったところかな」

「でも、これは信じられないよ」

「テクニック、たんにテクニックの問題だよ」

彼女が終わったあとで、今度は、男の人がそのイスに座った。観客は拍手を送っていた。
別の音楽が鳴りはじめた。

スクリーンには何羽かのスマートな鳥が、ガラスか水晶ででもできたような風景の上を、音楽のリズムに合わせて華麗に飛んでいた。

それは、まるで、アニメーションを見ているようで、とても美しかった。しばらくのあいだ、黙ってこの素晴らしい宇宙映画館の映像を楽しむことにした。

そのあとで男の子が席につき、いくつものきみょうな惑星で起こった、他の惑星の女の子との愛の物語を披露しはじめた。

映像は前に見た二人に比べて、鮮明度に欠け、時々すっかりぼやけてしまうときもあった。

「どうして、ぼやけたりするの?」

「まだ、子どもだから大人のような集中度にまで達していないんだ。でも、彼の年にしては、とてもよくできている」

「音楽も一緒に想像するの?」

「それは、まだ、ここじゃできない。でも、別の世界では、そのふたつを同時にできるところがある。オフィルでも、音楽家が音楽を想像して、観衆が聞くというコンサートホールがあるよ・・・。じゃ、今度は、遊園地に行ってみたいかい?」

「もちろん!」

とても幻想的な世界についた。そこはあらゆる娯楽施設でいっぱいだった。

巨大なジェットコースター、回転木馬、いろいろなぬいぐるみの動物たち、幻想的な風景のセット・・・別の遊び場では、無重力状態になっているところがあって、みな自分の身体が宙に浮くのを大笑いしながら楽しんでいた。

「より進歩した人間ほど、子どものようになってくるんだ」
とアミが説明してくれた。

「ここには、こういったものがたくさんつくられている。進歩した大人の精神は、まるで子どもとそっくりだ。だから我々には、こういった遊びとか、幻想とか、創造といったものが必要なんだよ・・・。でも最大の遊び、幻想、創造といえるのは大宇宙であり、その創造者は愛だ・・・」

「神?」

「愛は神だからね・・・我々の言葉では、創造者とか神性とか神とかを意味するのに、たったひとつの言葉がある・・・それは、”愛”という言葉で、いつも大文字で書きあらわすようになっている。いつか地球でも、同じようにするようになるだろう・・・」

「アミ、ますます愛が大切だってことに気がついてきたよ」

「でもまだまだ十分とは言えない・・・じゃ、オフィルの見学はこのへんにしておこう。地球でも、もし、人々の心がつながり合えさえすれば、明日にでもオフィルのように暮らすことができるんだよ。その他の必要なことは、全て我々が教えてあげられるんだ。

じゃ、今度は、きみも僕も今のところ全く到達できない世界へ行くよ。ただ今回のように、特別な、重要な目的のためにだけ、ほんの一瞬、見ることができる。あそこには、2000度以下の人は誰もいない。到着するまで時間がかかるからイスに座って、別のことを話そう」

宇アミは操縦枠を動かした。円盤は軽く振動し、星は長くのび、窓には霧があらわれ、僕たちが遠くの世界に向かっていることを示していた。

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第13章 万物を生み出すエネルギー

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